円形脱毛症の治療について:自由診療でおこなう治療となります。 PRP(多血小板血漿)は学問的にも再発予防に根拠があります。 幹細胞(培養)上清液は使用する品によって差があります。

円形脱毛症とは

円形脱毛症とは

円形脱毛症とは、円形や楕円形に髪の毛が抜けてしまう疾患で、突然、髪の毛が抜けてしまうことが特徴です。感嘆符毛(先が太くて根元が細い毛)や黒点(頭皮の部位で髪が切れている)などが見られる場合があります。リンパ球がからんだ膠原病という分類になっています。重症化すると頭皮だけでなく眉毛やまつ毛、体毛と全身に症状が広がる場合があります。症状の再発を繰り返すと治療が長期化すること多いです。 気になる症状がある際は早めにご相談された方が早く寛解になる可能性が高いです。

円形脱毛症の症状

円形脱毛症の症状は、突然髪の毛が円形や楕円形に抜けてしまうことです。かゆみや痛みなどの自覚症状がほとんどないため、いつの間にか円形脱毛症が発生していることもあります。年齢が小さい時の発生の方が明らかに慢性化・重症化しやすいようです。アトピー性皮膚の合併も重症化しやすいという報告があります。

円形脱毛症の種類

1.単発型

円形脱毛症の中で最も多くみられるタイプです。円形または楕円形の脱毛斑が発生します。頭部に生じることがほとんどです。80%弱が発症後数ヵ月~1年で自然治癒する、という主旨がガイドラインに記載されているように思います。(正確には主旨が違う場合もありますが、私はそう感じました。脱毛斑が大きくなっている場合、融合していく場合などは、放置すると治療に難治性が出る場合が多いと感じます。

6か月を過ぎても改善傾向がない場合は治療手段を講じた方が経験的によい、と強く感じます。
1つでも大きさが明らかに大きくなっていく場合も、同じ考えの方がよい、と感じます。

2.多発型

円形の脱毛斑が複数箇所に生じるタイプです。複数の脱毛斑がつながり、脱毛範囲が拡大してしまうこと(多発融合型)があります。
融合していく場合も対応は早い方が良いと感じます。

3.蛇行型

後頭部から側頭部に沿って、髪の毛の生え際が帯状に脱毛するタイプです。
耳介(耳)の前後(目側と後頭側)の皮下深くにリンパ節の塊があるようです(解剖学の教科書的に)。
この部位の蛇行型の円形脱毛症は状況によっては全頭型になりやすい、印象です。
手段がある場合には早く治療レベルを強くできれば、と考えます。

3’ . 逆蛇行型

頭頂部などにできるようです。 言葉で表現しにくい。 私自身はたくさんはみてないかもです。

4.全頭型

多発型、多発融合型から移行する症状で、頭部全体の髪の毛が抜け落ちます。
早めの回復が望ましいのですが、簡単ではありません。 難治性です。 最近は保険上は有効な薬が出現しています。 条件があって、半年以上既存のクスリがの効果が不十分時には免疫関連のクスリが保険で使用できるはずです。 効果はもちろんありますが、完全の発毛ができるか? というと、難しい状況のようです。 発症から時間が経過していると、発毛しにくいような印象です。。

5.汎発型

頭髪だけでなく、眉毛やヒゲ、すね毛など、全身の毛が抜け落ちます。最も症状が重いタイプで、難治性です。 新しい免疫関連のクスリの適応だと思います。

円形脱毛症の原因

リンパ系の自己免疫疾患と現在は考えられています。

アトピー素因

アトピー性皮膚炎やぜんそく、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などのアトピー性疾患を起こしやすい体質の家系に多いようです。 医学的には詳細は明らかになっていませんが、円形脱毛症の患者さんの40%がアトピー素因を持っているといわれており、半数以上が本人もしくは家族にアトピー素因が認められるため、関係があるようです。

遺伝的要因

円形脱毛症は、20%ほどの患者さんにおいて、家族内発生(血縁の家族にも円形脱毛症がある)があるようです。
明確に関連性は解明されていませんが、円形脱毛症に遺伝的要因が関係する可能性が高いといわれています。

精神的ストレス

精神的ストレスが脱毛を引き起こすことはありますが、円形脱毛症の患者さんの大半は精神的ストレスがなくても発症しています。そのため現在では、円形脱毛症と精神的ストレスとの直接の関連性については科学的根拠が乏しいといわれています。
最近の報告では、ご本人がストレスをストレスと感じることができない、病態も指摘されています。 はっきりはしないですが、因果関連はあると思っている方がよいと考えます。

保険診療・円形脱毛症の治療

円形脱毛症の生涯発生頻度は以前は2%くらい、と報告されていました。
コロナのワクチン、コロナ感染症は免疫システムに異変を起こした印象です。 経験的な頻度は明らかに増えた印象です。
報告その他から、現在は罹患率(一度でも円形脱毛症が発症する確率)は2.5 ~ 3%弱になった印象です。

難治性の全頭型・汎発型円形脱毛症の頻度は0.2%くらいといわれています。

国領きとうクリニックの円形脱毛症・治療は自由診療です。
円形脱毛症診療ガイドライン」に基づく保険診療の方針のあとに、当院の円形脱毛症の治療方針を記載します。

外用薬

外用薬は効果が弱いものの、副作用が出にくいので幅広く用いられます。円形脱毛症の外用薬には下記のようなものがあります。

ステロイド

頭皮下数ミリの毛包のまわりにリンパ球の炎症細胞が集まっているため、炎症を抑制するステロイドが有効といわれています。
同じ部位に長い期間塗り続けると、皮膚が薄くなったり、くぼんだり、毛細血管が拡張したりする副作用が起こる場合があります。

カルプロニウム塩化物

カルプロニウム塩化物(フロジン・商品名)には、頭皮の血流を改善する作用があります。1日に2~3回、脱毛斑に塗布します。
副作用がほとんどないため、治癒した後も予防的に外用を続けることができます。私も使用したことがあるのですが、血流は間違いなく改善します。 汗がたくさんでます。 持続時間が長くはない、印象です。

内服薬

円形脱毛症の治療で用いられる内服薬には、次のようなものが挙げられます。

抗アレルギー薬・
抗ヒスタミン薬

抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬は、単発型や多発型の円形脱毛症の場合に、他の治療と併用することが提案されています。
あまり効果がある、という感じはうけません。

ステロイド内服

ステロイドの内服薬には、炎症や免疫機能を抑制する効果があり、発毛を促進する作用もあることが明らかになっています。
しかし、合併症がいろいろ起こりえます。 長期の使用は肥満や糖尿病、骨粗しょう症、高血圧、高脂血症、ニキビなどの様々な副作用が生じる場合があります。
一番の問題は再発率が高い、という事です。服用をやめた後に症状が再発する可能性があります。
そのため、脱毛が広範囲かつ急速に進んでいる成人の患者さんに限定して使用されています。

JAK阻害薬

JAK阻害薬は、円形脱毛症の炎症の信号を伝達する経路を遮断することで、円形脱毛症の症状を改善するお薬です。
元々アトピー性皮膚炎や関節リウマチの治療で使われていたオルミエントという内服薬が、2022年6月から円形脱毛症にも保険適用されました。
他の治療方法で症状をコントロールできない場合に効果が期待できる薬ですが、価格が高く、服用するために血液検査や胸部X線検査などが必要になるのが難点です。
またリットフーロという内服薬も保険適用となりました。リットフーロは特に重度の脱毛症患者(頭部全体に脱毛があるような患者)さんで有効性が確認されており、約24週間で多くの方が髪の成長を回復したと報告されています。
これらのクスリは皮膚科専門医で、使用申請後・許可をもらった施設でしか、処方されません。
・結核の発生なども心配事になります。 咳がつづく、微熱がつづく、体調がよくない、などが継続する場合には担当医に早めの問い合わせが必要です。 場合によっては内科医の医師に先に確認する方がよい場合もあるかもしれません。皮膚科の医師は普段、結核の患者さん(肺結核)はみないかもです。

その他の内服薬

円形脱毛症の治療では、グリチロンセファランチンが使用されます。
現段階では十分に効果が実証されていませんが、副作用が少ないため選択肢にはなります。

光線療法(紫外線療法)

さまざまな皮膚疾患に効果がある光線療法ですが、最近では円形脱毛症にも有効であることが報告されています。1~2週間に1回の通院が必要になります。比較的安全ですが、注意点は良く守る必要があります。

ナローバンドUVB

ナローバンドUVBは、紫外線の中でも皮膚疾患に効果が認められている311~313ナノメートルの波長だけを照射することで、過剰に反応している免疫機能を抑制します。
アトピー素因があって円形脱毛症を伴う患者さんに特に効果があるといわれています。円形脱毛症も保険治療の適応となっており、効果を発揮するためには週1~2回の照射が必要とされています。

エキシマライト

ナローバンドUVBが311~313ナノメートルの波長の紫外線を照射するのに対して、エキシマライトはより治療効果が高い308ナノメートルの紫外線のみを患部に向けてピンポイントかつ強力に照射します。 より効果はありますが、ナローバンドUVBよりこ効力はありますので、さらに指示、禁忌などには注意が必要です。

局所処置

SADBE療法(局所免疫療法)

かぶれを引き起こす化学試薬を塗る治療法です。かぶれによって起きるさまざまな反応が毛に対する自己免疫機能を抑制し、発毛を促すと考えられています。
比較的広範囲に脱毛している症例に対して実施され、子どもにも使用することができます。
円形脱毛症の約90%の患者さんに有効であるといわれていますが、保険が効かないため自費治療になります。
アトピー性皮膚を合併している場合には難しいと思われます。

ステロイド局所注射

免疫機能や炎症を抑制する効果のあるステロイドを、脱毛箇所に注射で注入する治療方法です。
高い発毛効果がありますが、ステロイドにはさまざまな副作用があるためと痛みのため、子どもに対しては実施しません
発毛が認められるまで、2週間~1ヵ月の間隔で治療を継続します。 反復すると副作用が出やすいが、難しいところです。

液体窒素療法

液体窒素によって脱毛部分を冷凍凝固させ、免疫細胞の働きを抑えることで毛の再生を図る治療方法です。
冷凍凝固の部分に炎症がおき、毛包の炎症を起こしている免疫異常を冷凍凝固させた部位へと矛先を変えさせるイメージです。

ステロイドパルス療法

成人の発症後6ヵ月以内で、重症かつ急速に進行する円形脱毛症に対して検討する治療です。
3日間に、点滴でメチルプレドニンを大量に点滴します。 皮膚科の先生は500mgの投与が多いようです。
内科的には1000mgの投与の方がよいのでは? と思います。 皮膚科で500mgと決めているのには何か、理由があるのかもしれません。

副作用が起こりえますので、安全を考えて入院が必要になります。
実際にある程度の数を行っている立場として、全く問題ない方もおられます。 しかし、そう状態になる方も稀におられます。
自分勝手に夜でも家から「ハイキングに行ってくる……」と言って家から出ていき、探して、家から出ないようにするのに大変だった。という経験もしたことがあります。 安全を考えると入院は必要と考えます。

===自由診療の場合には幹細胞(培養)上清液を使用します===

※当院では幹細胞培養上清液の頭皮注射(メソセラピー)もしくは点滴を行います。

良質・老廃物が除去された幹細胞培養上清液に関して副作用は起こらない、と報告・経験上感じます。
頭皮注射(メソセラピー)は針を刺しますので、痛みはある程度あると思います。当院は普通は冷却して頭皮注射を行います。
したがって、痛みがひどい、という事は基本的にありません。 ただし、冷却もそれなりに痛みがあります。ので、冷却麻酔なしで頭皮注射を行う場合もあります。 これは希望により変更です。

幹細胞培養上清液の点滴の場合には「濃い」上清液を点滴する時は点滴の部位に痛みがあるかも、、という感じだけです。
点滴に痛みに関しては、上清液の濃さを薄くすれば良い、ので調整は可能です。

※※老廃物のほとんどない、成長因子等の内容が十分に含まれている「幹細胞(培養)上清液」を使用しているか、が一番重要な事になります。

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